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9月.2016

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加藤さん夫妻が伊豆市へ移住してきたのは20年程前のこと。当初、今は亡きご主人の作った器に合う料理を考えては、『器と料理の会』を催していたそう。年に一度の開催だったその会がいつの間にか評判になり、もっと頻繁に開いてほしいという要望も増え、その声に応えるかたちでスタートしたのが「羅漢」だった。
加藤さんの目が届く範囲で、全身全霊を傾けておもてなしができるようにと、料理を提供するのは1日1組のみ。「時間と空間の中に料理があると思っています。陽光もそよ風も…まわりの景色も含めてご馳走になる。この土地、この空間の魅力まで存分に味わっていただきたいので、お客様にはここに5~6時間は居てくださいってお願いしているんです。」と、その理由を説明してくれた。

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先付は離れの味噌蔵で、前菜は古民家の母屋へ移動して…そんな風に、料理だけでなく空気感や風景の違いまで味わえるのは羅漢ならではの贅沢だ。真紅の一枚板に並べられた美しい前菜こそ、加藤さんの自信作。季節の訪れを目と舌で堪能させてくれる。囲炉裏のある居間では、揚げ物や焼き物、かまど炊きのご飯や香の物がお出迎え。そのすべてに、「食事のもつストーリーを五感で楽しんでもらいたい」という加藤さんの想いが込められている。

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「ここにいるあいだは、夢と現実の区別もつかないようなゆったりとした時間を過ごしてもらえたら本望です。」そう語る加藤さんは、自身もこの地に豊かな感情を育んでもらったのだという。美しい味を感じながら、美しい心を育てる。羅漢という空間は、体だけでなく心にまでたっぷり栄養を与えてくれる場所だった。

羅漢
伊豆市地蔵堂299-2
☎0558-83-0529
要予約
不定休
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