BARATEE

動物たちのメディア 〜その1〜

BARATEE 12号はメディア特集。
ということで、動物にとってのメディアって一体なんだろう?と考えてみる。

周囲に情報を知らせるための媒体となるもの…

あ、タヌキの糞だ!

ユニークなタヌキの放飼場。日本人にとって身近な存在だと実感できる。(@到津の森公園)

タヌキには「ため糞」という習性があり、
家族同士や、行動範囲が重なる複数の個体が、同じところに糞をする。
(1頭の行動範囲にある「ため糞場」は10箇所ほどで、ひと晩で2・3箇所を使用するんだとか)

タヌキたちは、糞のニオイや内容物から、たくさんの情報を知ることができるので、
「ため糞」はほかの個体のことを知るための“メディア”と言えるだろう。

たとえば、
彼らが糞から読み取る(嗅ぎ取る?)情報を、
私たちの世界に置き換えたとしたら。

「今日、初物のビワを食べたよ〜。超うまかった!」(快便の中にビワの種)
⇒ あ、もうそんな季節かぁ、ぼくもビワの木のところへ行ってみようかな。

「まじめなお付き合いができる彼氏募集中です♪(※)」(糞から香るお年頃フェロモン)
⇒ ふぉぉおおお! 何この芳しいニオイ!! この子ぜったい若い! きっと可愛い!!
※ちなみにタヌキは一夫一妻制(単雄単雌型)で、一度組んだペアは生涯解消されないといわれている。

という感じ。
(注:かなーり意訳が入っている)

時代が時代なら、
掲示板かSNSか、というところ、かもしれない。

タヌキの「ため糞」が、イヌやネコの「マーキング」と異なるのは、
自分のテリトリーを主張するような、排他的なサインではないという点。

私たち人間とおなじように、
「最近の私はこんな感じです」「ふむふむ。私はこんな感じだよ」
という、間接的な情報交換や交流があると考えると、
タヌキという身近な動物に、ますます親近感が湧いてくるではないか。

言葉をもたない動物たちの世界にも、
私たちとは異なる“メディア”のかたちがあるのだ。

タヌキの解説パネル。到津は展示のクオリティがすばらしい!(@到津の森公園)

 

=== 記事内で紹介した動物園 ===
・到津(いとうづ)の森公園(福岡県北九州市)
http://www.itozu-zoo.jp/

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